目次
【初めに】
このページでは、プライベートで18台、さらにバイクインストラクターとして数々のバイクに乗った経験をもとにした「バイク選びの神髄!!」(誇大表現スミマセン)をお伝えいたします!!
ぜひ自分に合ったバイクを見つけ、バイクライフを楽しんでください!!
私はトライアルやモトクロス、エンデューロなどのオフロードからミニバイクレース、ビッグバイクでのサーキット走行、ロードレース、日帰りツーリングから日本一周、そして海外ツーリングまで経験があります。一方で、各ジャンルとも本格的な競技活動は行っていません。また、ホンダ車、外車、ビッグバイクにやや偏った傾向がありますのでご承知おきください。
【結論】
初めに結論をお伝えします。
一番欲しいバイクを買おう!
です!
当たり前のような気もしますが、たくさんの候補に対してメリットデメリットや値段、使い勝手、デザインなどなどを比較検討しているうちに、見失ってしまうこともあります。なぜそれが重要なのか、また、それ以外の判断材料について、この後説明させていただきます。
【何から決めればいい?】
何をきっかけにバイクを買おうとしていますか?
私の場合は、「そのうちバイクに乗りたいな~」なんて思って雑誌を見たら、「CBR900RRカッコイイ!欲しい!」と思ったことがきっかけで、免許取得もそこからでした。
気に入ったバイクがある場合、結論に書いた通り、それを最優先してほしいです。もちろん「金額が高い」「上級者向け」「手に入りにくい」などハードルがある場合もあります。しかしバイクなんてものは無駄に金と手間がかかる上に、快適ではないものです。少々のネガより、憧れのバイク、好きなバイク、一番欲しいバイクを買いましょう。
特に金額に関してですが、バイクに乗るには購入費以外にもいろいろとお金がかかります。
後で憧れのバイクを買おう!と思っても、最初のバイクのローンが残っていたり、結婚出産マイホームなどなど、ライフステージの変化に伴ってそれどころじゃなくなったり・・・なんてこともあるかもしれません。
「買えるのなら、一番欲しいバイクを!」
とおススメしておきます。私も5年ローンで購入しました👍
一方で「これをやりたい!」がきっかけであれば、そのためのバイクを買う必要があります。その場合、やりたいことを出来るだけ具体的にイメージし、そのジャンルの情報を集めて適切な車両を選びましょう。
特に、モトクロスやロードレースなどの競技系は、レースだけでなく練習においても走行のルールがある場合があるし、適切な車両を買わないと上達の妨げになるばかりか危険になることもあり、「欲しい!」だけで買ってしまうと困ったことになります。その競技をやっている人からしっかりリサーチしましょう。(ここでは競技系の車両は省きます)
一般的な趣味としてのバイクの使い道である「ツーリング」が目的であれば、ナンバー付きのほとんどの車両は可能ですが、オフロードも含めたツーリングをしたいという場合は、それについて考慮する必要があります。
また、ツーリングの中でも「高速道路主体のロングツーリング」や「キャンプツーリング」などのスタイルによっては、不向きなものやかなり困難なものがありますので確認が必要です。
それでは、それぞれのジャンルごとの特徴を見ていきます。
【どんなジャンルがある?】
バイク乗りがなぜ何台も買ってしまうのか理解できない人もいると思いますが、例えば靴だって、「仕事」「買い物」「デート」「雨の日」「ハイキング」「ジョギング」などを一つの靴で済ませる人はあまりいないと思います。バイクにもジャンルがあって、何でもできる車両もあれば、一つのジャンルに特化した車両もあります。
ではジャンルとその特徴を見ていきましょう。
ネイキッド
一番一般的ないわゆる「バイク」のイメージのタイプかと思います。エンジンがむき出しになっているのでネイキッドといわれるようです。
特徴としては、ハンドルの位置がスーパースポーツに比べると高めで、街乗りからロングツーリング、軽めのサーキット走行までこなせるオールラウンダーです。
CB400やCB1300、XJR、Z1000などでしょうか。
私の乗っている1290 Super Duke Rはストリートファイターと言われていますが、大きい区分でいうとネイキッドになります。
メリット:何でもできる
デメリット:カウルが無いか、または小さいため、高速道路では風が当たって疲れやすい
向いている人:ツーリングも街乗りもサーキットもすべて1台でこなしたい
向いていない人:オフロードを重視している人
スーパースポーツ
「SS」などと略されるジャンルです。もともとは1000㏄クラスのフルカウル車や、レーサーのベースになっている車両などを指していたと思いますが、最近は250も含めたフルカウルのスポーツバイクの総称として使っている人もいるようです。
各メーカーともフラッグシップとなる車種がそろっています。
CBR1000RR-R、YZF-R1、GSX-R1000R、ZX-10Rなどです。
特徴は上にもある通り、全体的にカウルで覆われており、ハンドルが低くなっています。
メリット:カッコイイ、所有感がある
デメリット:前傾姿勢がきつい、足つきが悪い、積載性が良くない、転倒すると高くつく
向いている人:レーサー気分を味わいたい人、そのメーカーの最高の技術を味わいたい人
向いていない人:街乗りが多い人、2泊以上のロングツーリングに行きたい人、キャンプツーリングしたい人
デュアルパーパス
いわゆる「オフロードバイク」というイメージのバイクはここに入ります。ナンバーの付いているオフロードスタイルのバイクは、基本的にオフロード専用ではなく、「オフロードも走れる」車両で、実はかなりオンロードの走行を重視しています。ただし、タイヤやギア比を変えることで、かなり本格的なオフロードに挑戦することも可能です。
アドベンチャーといわれる車種も、大きくまとめるとデュアルパーパスに入ります。
メリット:オフロードも走れる、乗車姿勢が楽、車体が軽い、転んでも壊れにくい、ランニングコストが安い
デメリット:オンロード性能が劣る、尻が痛くなる、シート位置が高い場合がある
向いている人:オフロードの走行を重視する人、コストを抑えたい人
向いていない人:オフロードを走る予定のない人
ツアラー
フルカウルながら、スーパースポーツに含まれない、ツーリング向けのバイクです。
VRF800、隼など
メリット:高速道路で風が当たりにくく楽、荷物が積みやすい、姿勢も意外と楽
デメリット:大柄な車格、転倒時に高くつく
向いている人:高速道路を使ってツーリングをする+ワインディングもある程度楽しみたい
向いていない人:スポーツ性を追求したい人、オフロードにも行きたい人
クルーザー
アメリカン(いわゆるハーレー)やHONDAのゴールドウィングなど、巨大で低くて大排気量なものが多いですが、250ccクラスなどの小排気量もあります。
メリット:高速道路が楽、ゆっくり走って心地よい、快適性が高い、足つきが良い
デメリット:取り回しが大変、狭い道や急カーブが走りづらい、値段が高い
向いている人:高速道路や広い国道などをメインに長距離を走る人、ゆっくり快適に走りたい人
向いていない人:ワインディングロードを好む人、重さが不安にな人
【排気量で何が変わる?】
HONDAのCBシリーズなら125、250、400、650、1000、1300とあります。KTMのDukeシリーズも、125、200、250、390、890、1290となっています。ヤマハだったらMTシリーズもそうですね。ネイキッドだけでなく、スーパースポーツにおいても、デュアルパーパスにおいても、排気量がいくつも設定されているシリーズが多いです。
排気量で何が変わるのか、低い方から順番に説明します。
125ccクラス
法的に「原付二種」となります。特徴は税金や保険料が安く、維持費を抑えることが出来ます。一方、有料無料を問わず「自動車専用道路」を通ることが出来ません。高速道路はもちろんですが、一般道でも一部のトンネルや橋だけが「自動車専用道路」になっているため、大きく迂回しなくてはならない場合があります。
そのため、日常使うルートが該当する場合はかなり不便を強いられますし、遠出するときは高速道路が使えないのはやはり辛いです。
車両の特徴としては、馬力は当然低いですが、60km/h出すのにそれほど問題は無く、車体は小さく軽く、取り回しが楽です。燃費も良い車種が多く、普段使いの車両としてはとても優秀です。
また、しまなみ海道など、原付だからこそ走れる道も一部あります。
250ccクラス
軽さや取り回しの良さ、燃費の良さもありながら、高速道路や自動車専用道路も走れ、車検が無いため維持費も安い人気の排気量になります。その為リセールもやや高い傾向があります。
ただし高速道路を余裕を持って走るにはやや馬力が不足している車種が多く、100km/hを維持することや、合流および追い越し加速、上り坂などで不足を感じたり、唸るエンジンの音や振動によって疲労がたまる傾向があるため、長距離を走るのはあまり適しません。
400ccクラス
軽さや取り回しの良さもありつつ、高速道路や加速での馬力も十分にあるバランスの良いクラスです。ただし車検があるため、どうせならばもっと大きいバイクに乗ろう・・・ということで、250ccと600ccクラス以上との隙間にはまった不人気クラスです。
600cc~800ccクラス
いわゆるミドルクラスと言われていますが、車格としては1000ccクラスとほとんど変わらない車種が多く、車重は重め、足つき性悪め、値段的も高めと、ハードルが上がります。
排気量なりに馬力が出ているため、発進も加速も高速道路も余裕があり、スポーツ性も高い車種も多いことから、人気のクラスです。
1000ccオーバークラス
公道では使い切れないパワーを秘めた車両がひしめくクラスになります。各メーカーとも最先端の技術を注ぎ込んだフラッグシップモデルであり、レースで活躍するなど、憧れの対象として、所有の満足感が得られます。性能のほとんどを無駄にしていますが、趣味のものとして最高の性能を持つ車両に乗ることの満足感は否定できないと思います。
無駄とはいうものの、それでも馬力があることは運転の余裕や疲労の軽減に繋がります。ただし、アクセル一ひねりで軽々と200km/hを超えてしまうので、ある程度の技術と自制心も必要です。
また、圧倒的な馬力の代償として、エンジンが異常に熱くなる車種が多く、ジーンズで乗っていたら火傷するという車種もありますし、夏の街中などはとてもじゃないけれど暑くて乗っていられません。また、エンジンが大きいため車重も重くなり、シート位置も高く、燃費も悪くなります。
車検の有無は?
250ccまでは車検は無し。それ以上は車検ありです。
新車は3年目から、それ以降は2年毎に車検を受けます。
これを嫌って250ccにする方も多いですが、実際にどのくらいかかるのかと言いますと、税金と合わせて一回2万円程度がミニマムです。これはユーザー車検です。自分で陸運支局に行き、書類を書いてラインを通した場合になります。ハードルはありますが、やること自体はそれほど難しくは無く、半日で終わります。
ただし、平日に休みを取り、諸々調べたうえで足を運ばないといけないのは確かに面倒。基本はバイク屋さんにお願いすることになると思いますが、金額としてはピンキリです。おそらく4~5万からというところでしょうか。もちろん部品交換やどの程度整備するかによっても変わってきます。
まぁまぁの負担ではありますが、それを上回るメリットと魅力が大型バイクにはあると私は思っています。憧れのバイクに、「車検があるから」という理由だけで乗らないのはもったいないのではないでしょうか。
排気量まとめ
排気量はバイクの乗り味に大きく影響します。
簡単に言えば、小さいほど軽く非力で、大きくなるほどパワーがあって重いということになります。初めてのバイクとしておススメなのは250~400ccですが、1000cc以上の車種を初めから買うのもナシではないと思います。それなりに苦労すると思いますが、好きなバイクに乗る喜びで乗り越えてください👍
また、小さい排気量の車両を見下す一部のライダーやドライバーがおり、煽り運転や無理な追い越し、幅寄せなどのターゲットにされることがあるようです。また、横風の影響を受けやすく不安定さもあるため、小さければ安心というわけでもないです。
【足つきはどのくらいならOK?】
欲しい車種のスペック表に「シート高」が書いてあるので参考にしましょう。ただし、足つき性はシートの幅や形状、サスペンションの設定などでも変わってくるので、気になる場合は実車で確認しましょう。自分の中で「〇〇cm以下なら大丈夫そう」という目安ができると、スペックだけでもある程度予測ができるようになると思います。
平均的な体力があれば、「両足のつま先がしっかりつく」「お尻をずらさずに片足がべったりつく」くらいまでが安心して乗れる範囲でしょうか。信号で止まるたびにお尻をずらさないと足がつかないというレベルになると、大変ですし、なかなか怖いものがあります。
左端に停止するときなどは、足をつく場所が低くなっているケースもあり、ギリギリの足つきですとかなり怖いです。
足つきが厳しい車両にどうしても乗りたいという場合は、サスペンションに手を加えることで車高を下げる「ローダウン」やシートのスポンジを薄くする「あんこ抜き」などの手法である程度改善することは可能です。もちろん作業工賃やパーツ代がかかります。
また、少し厚めのソールの靴を履くことも、意外と馬鹿出来ない効果がありますが、シークレットシューズのような極端な厚底はペダル操作の支障になりますので、危険です。
シート位置が低い傾向にあるジャンルは、アメリカンやクルーザー、小排気量のネイキッドなど。
シートが高い傾向にあるのは、スーパースポーツ、デュアルパーパスです。
【新車にするか中古にするか】
私は個人的には中古のほうがお得感があるので好きですが、初めて買う方がお得に買えるとは限りません。
中古車の状態は千差万別ですから、予想できないトラブルが起きるかもしれません。
初めての方はヤフオクや知人を含めた個人売買はやめたほうが良いでしょう。
ちゃんとしたバイクショップで買う場合、中古もそれほど安いというわけにはいかないため、新車でもどちらでも予算と好みで決めればよいと思います。その代わり中古でもそれなりの保証が付くかと思います。
予算があるなら新車を買うのがもちろん一番安心でしょう。
【日本車か外車か】
かつては外車は壊れやすいという話が多くありましたが、今や外車でも有名メーカーであれば、信頼性はそれほど国産車と変わらないという意見もあります。かつては「確実に出るトラブル」があってみんな壊れたりしたらしいのですが、そういうのが無くなっただけで、壊れる車両に当たったらやっぱり大変なのではないかと個人的には思います。
ですので、安心できるのは国産4メーカーということになります。ただし、国内でディーラーがしっかり展開され、台数も多い、BMW、ハーレー、DUCATI、KTMなどは、ディーラーから買えるなら選択肢に入れても良いと思います。
外車のネガとしては、故障時に部品がなかなか入らないことがあったり、国産より割高、整備や車検もやや高くつく傾向があるようです。
外車の良さとしては、日本車にはない尖った性格や特徴的なデザイン、製品としての美しさや所有感など趣味としてはなかなか捨てがたい魅力があります。
【どこで買うか】
バイクショップで買いましょう。
初めてのバイクで個人売買は本当にお勧めしないです。安く手に入る場合もありますが、メンテナンスをどうするかも含めて考えましょう。
選択肢があるならば、バイクショップを回って話を聞きましょう。ちゃんと対応してくれる信頼できるスタッフがいるお店で買いましょう。近いからとかそういう理由はやめたほうが良いです。
個人的意見ですが、バイクショップのスタッフは個性的な方が多いので、合う合わないは重要です。また、技術も結構差があります。整備を頼んだら調子が悪くなったとか、〇〇が取れたとか、そんな話を聞くこともあります。技術の見極めは難しいですが、せめて誠実に対応してくれそうな店を選びましょう。
【改めて結論とまとめ】
初めてバイクを買う人におススメなのは、足つきが良く、ハンドル位置が高く、車体が軽い、国内メーカーの新車ということになります。ジャンルとしては、ネイキッド、ツアラー、デュアルパーパス(足つきが良い車種)、クルーザー(小排気量のもの)などが良いでしょう。
とは言え一番大事なのは
そのバイクが欲しいかどうか
です。
値段の条件が合うから・・・
性能が良いから・・・
目的に合っているから・・・
どれも大事な要素なんですが、最後に本当にそのバイクを欲しいのか自分に聞いてみましょう。理屈で買った車両は乗らなくなる可能性が高いと私は思います。
私もバイクを買うときはいくつかの選択肢があってとても迷います。そんなときは買った後を想像してみます。
「納車日が待ちきれない!納車されたらすぐに走りに行こう!ワクワクが止まらない!!」
と一番思える車両が「買い」なのかなと思っています。
「バイクを買うまでが一番楽しい」という説もありますので、ぜひたくさん悩んで楽しんでください!!