ラジコン レビュー

【新発売】レーザーSBダートクロス【レビュー】

2024年6月発売の京商レーザーSBダートクロスを購入しました。

待望のミドルクラス4WDバギー

私がラジコンを再開した2022年ころはオフロード車を買おうと思うとタミヤか復刻かハイエンドかという印象で、「タミヤ車よりもう少し良く走るけどハイエンド程高くないバギー」つまりミドルクラスが見当たりませんでした。

その後ジェノバが発売されて、「そうそうコレコレ!」と思いました。各社からも後追いで同クラスの2WDバギーが次々と発売されたところからも、同じように思っていた人が多かったのかもしれません。

ある程度ジェノバを走らせた昨年末頃から、私は「オフロードを走るならやっぱり4WDが欲しい」と思い探し始めました。しかし4WDはいまだジェノバのような位置づけのモデルは無く、タミヤのドゥルガなども検討しましたがオプションパーツがもう手に入らない等もあり、結局中華バギーWLtoys104002の購入に至りました。結構良く走ってくれたので概ね満足はしていたのですが、そんな折についに京商からミドルクラス4WDバギーが出るということになりました。

104002で楽しんでいたのですが、ある程度走らせると素材が安いせいであちこち壊れ始めました。そもそも安さが最大の魅力だった車だけに、あまりお金を掛けたくないところです。次の候補を探し始めていた折に、ダートクロス発売ということで飛びつきました。

この時にはすでにMO1.0を購入していましたが、砂まみれ土まみれになってしまうオフロード走行を高価なハイエンドでは行うのはどうにも抵抗感がありましたので、ほどほどの値段でハイエンド由来(レーザーZX5のリメイク)の走行性能というのはまさに期待していた製品でした。

難を言えば、ちょっとボディのデザインがクラシックを狙って外している感じではありましたが…

というわけで4月末に予約して待つこと2カ月、ついに手元に届くこととなりました。

開封

ロマン枠である復刻版と違って極めて効率優先な中身と、これまた結構シンプルな組み立て説明書という印象でした。そして想像以上に樹脂パーツが多く、プラモデルかよと思いました。

制作

製作時間は約8時間でした。MO1.0よりパーツは少ないし、最近2台組んで慣れてきていたのでそれ程大変ではなかったです。割とスイスイ組んだ感覚はあったのですが、それほど早く出来たわけでもありませんでしたが。

印象としては開けたとき以上にプラモデル感が強く、とにかくランナーからパーツを切り出す作業が面倒でした。良いニッパーを準備しておくことをお勧めします。また、バリをしっかりとらないと作動に影響する部分もあるので、やすりやサンドペーパー等もあったほうが良いでしょう。

ターボスコーピオンもそうでしたが、作る順番に沿ってパーツとボルトがまとめてあるのは良いですね。

説明書は不親切ということは無いですが、どのパーツかわかり難いところはありました。また、何か所か間違って組みなおしました。パーツ精度はダンパーやサスアームやステアリングクランクといった作動部の動きが結構渋かったです(私が作るのがヘタなせいもあると思います)。

完成レビュー

先にハイエンドマシンのMO1.0を作っていたもので、作成している時は特に感動はなかったですし、あまりの樹脂パーツの多さに、「これじゃタミヤ車と同じでは?」と思ったりもしたのですが、完成してみると全体的にはしっかりまとまった作りになっているようにも感じられ、愛着も沸いてきたし走らせるのも楽しみになってきました。

シェイクダウン走行

そしていよいよシェイクダウン走行。まずは走り慣れたつくばラジコンパークのカーペットコースで走らせます。予想していたより良いタイムが出て嬉しかったです。

走行①(12:30)
18秒84
18秒98
18秒78 ☆
18秒89

走行②(14:00)
前後新品タイヤに交換
18秒66
18秒48
18秒48
18秒78
18秒79
18秒56
18秒65
18秒89
18秒45 ☆

走行③(14:30)
18秒72
18秒71
18秒29 ☆
18秒47
18秒45
18秒64
18秒30
18秒29 ☆

走行④(15:00)
前後にネガティブキャンバーを付ける
18秒35
18秒35
17秒86 ☆
17秒90
18秒12
18秒45

走行⑤(15:30)
ピニオンギア24Tから26Tに変更
18秒12
18秒47
18秒10
18秒13
18秒08

走行⓺(16:00)
フロントのキャンバーを少し戻す
18秒28
17秒97
18秒19

初走行の感想

レーザーSBダートクロス初走行 ベストタイム 17秒86

※参考自己ベストタイム(つくパー2024年4月以降の新コース)
MO1.0(13.5ストック仕様) 16秒43
RO1.0(カーペットタイヤ仕様) 17秒83
ジェノバ(17.5ストック仕様) 18秒09
RO1.0(ワンメイククラス仕様) 18秒16
ジェノバ(GFCC仕様) 18秒29
レーザーZX初代(クラシッククラス仕様) 18秒98
ターボスコーピオン(17.5ブラシレス) 21秒26

走行前の予想としては、「17秒台入れられたら嬉しいけど、現実的には18秒前半というところかな」と思っていたので、思ったよりタイムが出せて嬉しいです。

走りの印象として強く残ったのは「フロントの応答がマイルド」だということと、「ジャンプの姿勢制御に注意」ということですね。

フロントの応答性については、悪い言い方をすれば「ダルい」のですが、私は最近MO1.0などで練習したおかげでかなりクイックなハンドリングに慣れてきましたのでそう感じるのかなと思います。今年の1月、RO1.0で走行を始めたころは、フロントタイヤをカーペット用にしたりサーボを速いものに変えたりするたびにクイック過ぎて対応できず、EXPで初期の作動を思いっきり減らして走っていました。たしかEXP-40位つけていたような気がします。

最近は練習の成果でクイックな動きにもある程度対応できるようになったので、EXPもゼロにしていますし、速いサーボでも普通に走れるようになってきましたが、たぶん1月~2月ころの私だったらちょうど良いくらいのハンドリング特性だったかもなと思います。ガバ切りしても曲がり過ぎず、破綻し辛い安定志向のハンドリングで気楽に走れるのではないでしょうか。

今回は気持ち硬めのダンパーオイル(#475)と硬めのデフオイル(#10000)で「なんちゃってカーペット仕様」にはしましたが、本来はその名の通りダートを走る目的の車です。カーペットの高いグリップに対して、特にリアのスプリングが柔らかすぎた感じがします。動画内でも机の上で落とした時に「リアサスの戻りが遅い」と言っていますが、ステアリングを切ったときにリアが踏ん張らずに深くストロークしてしまうのでフロントの応答が遅く感じたのではないかと思います。少し硬いスプリングやスタビライザーがあれば、大幅に応答性は改善するのではないかと思います。ジェノバのカーペット用スプリングを試してみれば良かったと後になって思いました。

ジャンプについては、アクセルオフで前下がりになる特性がMO1.0より強いように感じました。転倒はほぼすべてジャンプでの前転でした。これに関してはドライビングがダメで、勢いよくジャンプに入り、「スピードが速い!」と焦ってスロットルを戻しながら踏み切ってしまうから前下がりになるのです。ちゃんとジャンプ台手前で一瞬スロットルを戻してから入れ直し、加速状態で踏み切ってあげれば綺麗に飛べます。MO1.0だと今までの操作でもマシンの性能でそれなりに走れてしまうのですが、MO1.0においてもここからさらにタイムを上げていくうえで修正しなくてはいけない部分だと思っていましたので、良い教訓になりました。

ステアリングの切れ角が足りないと動画内で言っておりますが、確かに舵角は少な目です。これについてはもう少し切れるに越したことは無いのですが、結局のところコースを走る上で不足ということはなかったです。クリッピングポイント手前でしっかり減速と曲がる体勢を作ることをちゃんと基本通りにやるということです。切れ角が多いと、深くコーナーに突っ込んでから切れ角増やして強引に曲げることができるわけですが、その走り方ってどうなのかなと、ちょっと見直したほうが良いかもしれないと感じました。ただ、走り方の選択の自由度やミスのリカバリーの選択肢としては、もう少し切れ角はあったほうが助かるとも思います。コンパクトで小回りの多いサーキットだとちょっとしんどいかもしれません。
製作編で「ステアリングクランクが渋い」と言いましたが、とりあえず「舵残り」は無く直進性は良好でした。

全体的な感想
ちょっと前にハイエンドバギーであるMO1.0を作って走らせてとやっているので、作っていて「出来がいい!」とかシェイクダウンで「良く走る!」という印象にはならなかったのですが、「ミドルクラス」という位置づけと値段差を踏まえて改めて考えてみれば、十分納得できる製品だと思います。それこそ、ジェノバと比べるべきモデルだと考えた時には、圧倒的に良いと言えます。ジェノバでは17.5ターンストック仕様で必死こいて走っても18秒を切れなかったのに、ダートクロスは素の状態で初走行で17秒台には入れたわけですから。

私の持っている車体で比較すると、RO1.0と同等かなと思います。まさにミドルクラスとしてちょうど良い仕上がり。足回りに関しては現行ハイエンド譲りのRO1.0のほうが良い感じはしますが、4WDなのでダートにおいてはダートクロスのほうが走らせやすいのではないかと思います。

ハイエンドのような機能美や驚異的な走行性能までは無いけれど、入門用のような安っぽさやオプション地獄(ちょっと慣れてくるとあれもこれもパーツを変えたくなってめちゃめちゃ高くつく)もなく、素のままで良く走りそうなイメージ。タミヤのTT02Bが入門~中級という位置づけだとすれば、このダートクロスはまさに初級でも上級でもなく「中級」という位置づけにちょうど良く収まる作りだなと感じました。

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